Portal for ArcGIS 10.3.1 の新機能
このトピックの内容
- ArcGIS Portal Directory を使用したポータル ログのクエリと表示
- Red Hat Enterprise Linux Server 7 および SUSE Linux Enterprise Server 12 のサポート
- 3 次元コンテンツの作成と共有
- ホスト Web レイヤーの新機能
- スマート マッピング
- ポータル Web サイトの改善
- 構成可能なアプリ テンプレート
Web AppBuilder for ArcGIS の新機能
Portal for ArcGIS 10.3.1 では、製品全体にわたってパフォーマンス、セキュリティ、および安定性の強化と機能改善が図られています。10.3.1 で修正された問題の一覧については、「10.3.1 で修正された問題の一覧」をご参照ください。ソフトウェアの変更の概要については、以下のセクションをご参照ください。
お使いのハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントがバージョン 10.3.1 と互換性があるかどうかを確認するには、「製品リリース情報」を確認してください。Portal for ArcGIS 10.3.1 と互換性のある以前のバージョンの ArcGIS 製品を確認するには、「以前のバージョンの ArcGIS とポータルの互換性」をご参照ください。
ArcGIS Portal Directory を使用したポータル ログのクエリと表示
Portal for ArcGIS は、発生するイベントと、それらのイベントに関連するエラーをログに記録します。インストールやアップグレード、組織サイトの編集、公開、コンテンツおよびアイテム管理、セキュリティ ワークフローなどのアクティビティに関連するイベントは、すべてログに記録されます。
10.3.1 では、組織の管理者として ArcGIS Portal Directory にサイン インして、これらのログをクエリ、表示、構成、削除できます。ログは、エラーの特定や問題のトラブルシューティングに役立ちます。詳細については、「ポータル ログについて」をご参照ください。
Red Hat Enterprise Linux Server 7 および SUSE Linux Enterprise Server 12 のサポート
10.3.1 では、Portal for ArcGIS と ArcGIS Data Store のソフトウェアを Red Hat Enterprise Linux Server 7 および SUSE Linux Enterprise Server 12 にインストールできます。詳細については、「Portal for ArcGIS と ArcGIS Data Store のシステム要件」をご参照ください。
注意:
ArcGIS Web Adaptor (Java Platform) は、RHEL 7 および SUSE 12 に対応していません。
3 次元コンテンツの作成と共有
ArcGIS 10.3.1 では、グローバル ベースマップと独自の 3 次元および 2 次元レイヤーを含む Web シーンを作成できます。
Web シーンの作成と公開
ArcGIS Pro または Portal for ArcGIS を使用して、Web シーンと呼ばれる 3D マップを作成および公開できます。Web シーンには、2D データと 3D データを含めることができます。Web シーンはポータル上でホストされるため、ArcGIS プラットフォーム全体で利用できます。
Web シーンの利用
ポータル Web サイトのシーン ビューアー、ブラウザー、および ArcGIS Pro などのアプリケーションで Web シーンを表示できます。 シーン ビューアーは、デスクトップの WebGL をサポートする Web ブラウザーで動作します。WebGL は、最新のブラウザー (Chrome、Firefox など) の多くに統合されている 3D グラフィックスを表示するための技術です。
マルチパッチ 3D オブジェクトの共有
10.3.1 では、シーン サービスと呼ばれる新しいサービスとポータル レイヤー タイプを使用できます。このサービスは、シーン レイヤーとしてポータルに格納されます。シーン サービスは、都市景観全体の建物など、大量のマルチパッチ フィーチャの公開と利用をサポートします。シーン レイヤーは、ArcGIS Pro のシーンから公開すると、自動的にこのサービス タイプとして公開されます。
シーン レイヤーを公開するには、ポータルで ArcGIS Data Store が使用されている必要があります。
3D シンボル表示されたポイント、ライン、およびポリゴンの共有
10.3.1 では、3D のポイント、ライン、およびポリゴンを、関連付けられているシンボルを使用してフィーチャ レイヤーとして公開できます。
標高サーフェス データの共有
ArcGIS 10.3.1 では、標高サーフェス データの公開のために特別なイメージ サービス タイプが追加されました。この新しいイメージ サービス タイプは、複数の詳細レベルを使用して接続する必要がある標高コンテンツのタイルを処理するために専用に設計された特別なストレージ メカニズムを利用しています。
ArcMap 10.3.1 から、高解像度の標高データを特別なイメージ サービスとして公開できます。このイメージ サービスは、Web メルカトル空間参照を使用して、キャッシュを作成する必要があります。キャッシュのタイル形式は、最適な標高データの圧縮形式である Limited Error Raster Compression (LERC) に設定する必要があります。設定後、ArcGIS Pro 内の標高レイヤーを標高ソースとして利用し、そこから Web シーンを公開できます。; また、標高レイヤーを Portal for ArcGIS 内のシーン ビューアーに直接追加することもできます。
ホスト Web レイヤーの新機能
ポータルのホスティング サーバーが ArcGIS Data Store を使用している場合、空のホスト フィーチャ レイヤーを公開できます。これは、現場でデータを収集する必要がある場合に便利です。 初めに空のフィーチャ レイヤーを公開しておくと、編集者がフィールド観測値を作成するときにフィーチャを追加できます。
ホスト タイル レイヤーで、オフライン モードという新しいオプションが利用できるようになりました。 ホスト タイル レイヤーをオフラインで使用するマップに含める場合は、このオプションを有効化します。
スマート マッピング
スマート マッピングのデフォルトとワークフローを活用して、便利で魅力的なマップを作成できます。マップ ビューアー内では、マップに含まれるフィーチャ レイヤーのスタイルを変更する場合にスマート マッピングを使用できます。 使用しているデータとベースマップの性質に基づき、デフォルト スタイルが適用されます。また、効率化された直感的なユーザー インターフェイスを使用して、データのレンダリング方法を簡単に定義できます。
- コンピューターにある CSV ファイルなど、スタイルのないフィーチャ レイヤーを追加するとき、マップ ビューアーはデータを解析し、新しい [スタイルの変更] ウィンドウにスタイルの候補を表示します。追加オプションを選択したり、データにスタイルを未設定のままにしたりできます。すでにスタイルが設定されているフィーチャ レイヤーを追加する場合、マップ ビューアーはそのスタイルを適用します。[スタイルの変更] ウィンドウを開いて、候補を表示したり、スタイルの変更をレイヤーに追加することもできます。
- 連続配色を使用して、数値およびランク付けされたデータをカラー テーマでスタイル設定します。たとえば、年齢を、明から暗への連続配色を使用した高から低へのテーマで表示できます。
- 数値およびランク付けされたデータのスタイルをサイズ別に設定するために、比例サイズのシンボルを使用できます。たとえば、収入の増加に比例して大きくなるシンボルを使って収入を表示できます。
- ポイント フィーチャの位置をマッピングする場合、ヒート マップを作成します。 ヒート マップは、エリアの色表示でポイント フィーチャの密度を表します。ポイントの集中度の最も高いエリアが、最も濃い色になります。ヒート マップは、ポイントが多すぎてマップ上に一度にうまく収まらない場合や、多くのポイントが非常に密集していて簡単に区別できない場合に便利です。ヒート マップは、マップ上にあるポイントの相対密度を計算し、クール (ポイントの密度が低い) からホット (ポイントが多い) に色を滑らかに変化させて表示します。
- レイヤーのスタイルを設定するときに、最適な表示範囲を計算および設定するようにマップ ビューアーを設定できます。または、マップ上にレイヤーを表示する縮尺を制御したい場合は、[表示する縮尺範囲] を手動で設定することもできます。
- 直感的なスライダーを使用して、レイヤーの透過表示を変更できます。
- [シンボルの変更] は、[スタイルの変更] ウィンドウに置き換えられました。
ポータル Web サイトの改善
ポータル Web サイトでは、次の点が改善されました。
- SAML 準拠の ID プロバイダーまたは組織の ID プロバイダーからも (個別にまたは一括で) エンタープライズ アカウントを追加できるようになりました。また、(個別にまたは一括で) アカウントを追加するときに、管理権限のあるロールをアカウントに割り当てることができるようになりました。
- [マイ コンテンツ] のボタンが簡潔になり、使いやすくなりました。[作成] または [アイテムの追加] ボタン 1 つにアクセスするだけで、コンテンツをポータルに作成または追加できるようになりました。
- ポータル Web サイトの言語として、ベトナム語とギリシャ語が使用できるようになりました。ユーザー インターフェイス、および時刻/日付と数値の表示形式は、ポータルに設定された言語によって決定されます
- プロフィール ページが整理され、読みやすさが向上しました。
- マップを埋め込む際の操作性が向上しました。マップに含める対象を柔軟に選択できるようになり、デザインとワークフローが更新されました。
- ルート案内に、トラック モードのオプションが追加されました。トラック モードでは、トラック ルートとして指定されている道路が使用され、トラックの通行が禁止されている生活道路を迂回します。トラックの速度制限 (通常は一般車両よりも低速) も考慮されます。
構成可能なアプリ テンプレート
次の構成可能なアプリ テンプレートは Portal for ArcGIS 10.3.1 で新規に導入された機能です。
- 解析の比較: 4 つまでの Web マップを比較します。
- ルート案内: フィーチャまたは特定の目的地へのルート案内を提供します。
- 編集: 新しいバージョンの編集アプリ テンプレートです。このテンプレートを使用すると、アプリ ユーザーはマップ内のレイヤーを編集できます。 (10.3.1 バージョン)
- マップおよびアプリ ギャラリー: 1 つの場所からマップ、アプリ、その他のコンテンツのコレクションにアクセスできるようにするギャラリー アプリ テンプレートです。
- マップ ツール: ツールバーを使用して操作できます。
- マップ シリーズ: 一連のマップとその他のコンテンツを、タブとして、サイドアコーディオン コントロールを使用して、または番号付きの箇条書きとして表示します。
次のアプリ テンプレートは機能が強化されました。
- GeoForm は、マップ内のすべてのレイヤー、複数の添付ファイル、フォーム入力用のドロップダウンをサポートするようになりました。
- 影響サマリーは、ビルダー内からレイヤーに情報を付加できるようになりました。
- 標高グラフは、カスタム標高グラフ サービスを使用するように構成できるようになりました。
- 基本ビューアー、標高グラフ、フィルター、凡例、およびシンプル マップ ビューアーの検索機能が強化され、デフォルトで現在利用可能なすべてのリソースを検索したり、1 つのリソースを選択したりすることができるようになりました。 リソースには、組織のユーティリティ サービスで構成されたジオコーダー、またはマップ内の検索可能なレイヤーを使用できます。この機能強化によって、候補表示による緯度と経度での位置の検索も容易になりました。たとえば、間違ってマイナス記号 (-) を忘れた場合でも、結果には間違いを修正した候補が含まれます。
次のアプリ テンプレートは廃止されました。代わりに、推奨されている代替アプリ テンプレートを使用してください。
廃止されたアプリ テンプレート | 代替アプリ テンプレート |
---|---|
比較 | 解析の比較 |
編集 | 新しい (10.3.1) 編集アプリ テンプレート |
タブ付きビューアー | マップ シリーズ |
ヒント:
Esri は、廃止されたテンプレートのコードを保守していません。また、廃止されたテンプレートは、マップ ビューアーから使用できなくなりました。ただし、廃止されたテンプレートのソース コードと API をダウンロードして、独自の Web サーバー上でホストすることができます。手順は、ダウンロード ファイルに付属する readme ファイルに記載されています。
また、クラシック ビューアー アプリ テンプレートは廃止されていませんが、新しいアプリを作成するときは、新しいマップ ツール アプリ テンプレートを代わりに使用することをお勧めします。
Web AppBuilder for ArcGIS の新機能
次の機能が Web AppBuilder に追加されました。
- 関連するレコードをポップアップ、属性テーブル、および検索結果に表示できます。
- マップ内の設定に基づき、フィーチャを検索できます。
- マップの表示縮尺範囲を設定できます。
- URL パラメーターを使用してアプリを修正できます。
- バージョン情報、タイム スライダー、およびスワイプ ウィジェットが使用できるようになりました。
- モバイル デバイスでの Web AppBuilder の使用に関する機能が強化されました。
- レイヤー リスト ウィジェットで、テーブル、ラスター、イメージ レイヤーを表示できるようになりました。
- チャート ウィジェットが再設計され、カテゴリ、フィルター処理、集約によるチャートを使用できるようになりました。また、新しいチャート タイプが追加され、実行時にチャートの外観を変更できるようになりました。
- クエリ ウィジェットで実行時に個別値を表示できます。また、文字列のクエリで大文字と小文字を区別できます。
- アイテムとして Portal for ArcGIS に追加されたジオプロセシング サービスと一緒に GP ウィジェットを使用できるようになりました。
- サイズが変更できるパネルを使用して、プレースホルダーからマップにウィジェットをドラッグ アンド ドロップできます。
- アプリとウィジェット用のバージョン管理が実装されました。