ArcGIS Enterprise 10.7.1 は、更新、拡張機能、およびバグ修正を含んでいます。10.7.1 で修正された問題の一覧については、「10.7.1 で修正された問題の一覧」をご参照ください。
以前のバージョンから 10.7.1 にアップグレードする場合、ソフトウェアを再認証する必要があります。My Esri から新しいライセンス ファイルを入手できます。
お使いのハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントがバージョン 10.7.1 と互換性があるかどうかを確認するには、「製品リリース情報」を参照し、廃止された機能のリストを確認してください。ArcGIS Enterprise 10.7.1 と互換性のある以前の ArcGIS 製品バージョンを確認するには、「以前のバージョンの ArcGIS とポータルの互換性」をご参照ください。
組織サイトの管理
カスタム ロールでのポータル設定の管理
10.7.1 では、ポータル設定を管理する管理者権限を含むカスタム ロールを作成できます。これにより、管理者は、デフォルトの管理者ロールで完全な権限をユーザーに付与することなく、特定の管理作業をユーザーに委任することができます。たとえば、[組織の Web サイト] 権限を含むカスタム ロールを付与されているユーザーは、セキュリティやサーバー設定の管理などの管理タスクを実行する権限はありませんが、ポータルの Web サイト設定を管理できます。
ユーザー タイプ ライセンス
より柔軟に ArcGIS Enterprise でライセンスの機能とアプリをライセンス付与できるよう、メンバー レベルがユーザー タイプに代わりました。組織は、メンバーのニーズに合わせて、ユーザー タイプを使用し、ID、権限、アプリを割り当てることができます。
ライセンス ページのデザインが一新されました。2 つのタブに、組織のアドオン ライセンスとユーザー タイプに関する情報が表示されます。ライセンスを管理する際の意思決定に役立つ互換性の情報などが含まれています。アドオン ライセンスがいくつ割り当てられ使用可能であるかを表示し、必要に応じて、割り当てと割り当て解除を行うことができます。
再設計されたメンバー ページには、1 人のメンバーと選択した複数メンバーのいずれかのアドオン ライセンスとユーザー タイプを管理するための新しいオプションも含まれています。
再設計された組織ページ
組織ページが、組織の管理と情報の検索に役立つように再設計されました。新しい [概要] タブでは、利用できるライセンス、メンバーの数やタイプなど、組織に関する重要な情報がハイライト表示されます。[メンバー] タブで、ロールとレベルを基準にメンバーをフィルタリングし、一度に複数のメンバーのメンバーシップを無効化/有効化することができます。
言語と地域
- ポータルで、ハンガリー語とカタロニア語の言語がサポートされるようになりました。10.7.1 では、ウクライナ語もサポートされています。
- 繁体字中国語はヘルプでサポートされなくなりました。
- 英語とスペイン語で、ポータルでの数字と日付の表示方法を変更できるようになりました。
Webhook
ArcGIS Enterprise 10.7 で導入された Webhook は HTTP リクエストを送信して、指定されたイベントがポータル内で発生したことを通知します。Webhook は、アイテム、グループ、およびユーザーに関連付けられたイベントでトリガーできます。さらに 10.7.1 では、ユーザーがポータルにサイン イン/サイン アウトするとトリガーされるように Webhook を構成できます。
管理者の問い合わせ先
ポータルの管理者の連絡先情報を入力できるようになりました。連絡先情報は、[組織] ページで管理者以外のすべてのユーザーに表示されます。
追跡中の位置
位置の追跡は組織全体で利用できる機能になり、ユーザーの現在地と過去の位置を記録できます。ポータルで位置の追跡を有効にすることができます。位置追跡フィーチャ サービスは、記録した位置を拡張性とパフォーマンスに優れたビッグ データ ストア内のポイント フィーチャとして保存します。トラックは位置追跡サービス内で安全に保たれています。ユーザーには自身のトラックのみが表示され、他のユーザーのトラックを表示するには追加の権限が必要となります。トラックは状況認識や、ユーザーの過去の位置に関する質問に答えるための解析に使用できます。位置の追跡を利用するには、Tracker for ArcGIS を使用します。
組織向けのモバイル アプリ
iOS および Android 用の新しいモバイル アプリ (ArcGIS Enterprise) を使用すると、モバイル デバイスから ArcGIS Companion 組織に簡単にアクセスできます。いつでも、どこからでも組織にアクセスして、コンテンツの探索、グループの表示、プロフィールの編集などを実行できます。主要な管理機能も用意されています。
ユーザー エクスペリエンス
10.7.1 ポータルには、ポータルを操作しやすくするためのインターフェイスの機能強化が含まれています。
- 小さな画面でアクセスした際のポータルの応答が速くなりました。
- 10.7 以降の ArcGIS Living Atlas of the World コンテンツは、ポータル組織に固有のインターフェイスおよび検索から明確に分離されました。これにより、すべての Living Atlas コンテンツを調べることなく、組織のメンバーが作成したコンテンツを簡単に見つけることができます。次の表は、Living Atlas が含まれなくなったインターフェイスと、Living Atlas コンテンツが含まれているインターフェイスを示しています。
Living Atlas コンテンツが含まれなくなったインターフェイス 代替インターフェイス [コンテンツ] ページの [組織] タブ
[コンテンツ] ページの [Living Atlas] タブ
ギャラリー
[コンテンツ] ページの [Living Atlas] タブ
[組織] を Map Viewer で検索する場合 ([追加] > [レイヤーの検索] > [組織] オプション)
[追加] > [レイヤーの検索] > [Living Atlas] を使用するか、[追加] > [Living Atlas レイヤーの参照] を使用する
[組織] を Scene Viewer で検索する場合 ([レイヤーの追加] > [組織] オプション)
[レイヤーの追加] > [Living Atlas] を使用する
データ管理
- フィーチャ レイヤー所有者がレイヤーの属性テーブルおよび関連テーブルを簡単に表示して管理できるようにするために、新しいフィールド ビューをレイヤーのアイテム ページで利用できます。[フィールド] ビューでのデータ タイプによるフィールドのフィルタリング、フィールド リストの並べ替え、表示されるフィールドの順番の変更、および特定のフィールドの詳細の検索を実行することができます。また、レイヤーの所有者と組織の管理者は、ホスト フィーチャ レイヤーのフィールドを追加または削除したり、フィールドのリストまたは値の範囲を定義したり、フィールドを変更したり、[フィールド] ビュー ページからレイヤーを表示する際のフィールドの表示名を構成したりできます。
- 使用可能な値のリストを提示することにより、編集者がホスト フィーチャ レイヤーで属性を編集するときに正しい値を案内できます。編集者は新しいフィーチャを追加するとき、または属性を更新するときに正しい値を選択します。これにより、入力ミスや不正な値を防ぐことができます。数値属性の場合、有効な値の範囲を定義できます。編集者が範囲外の値を入力した場合、ポータルは、その値がサポートされる範囲外であることを通知します。
- フィーチャ レイヤーのテンプレート ギャラリーには、定義済みのスキーマを使用せず、仕様に合わせて空のホスト フィーチャ レイヤーの作成およびレイヤー スキーマの定義を行えるテンプレートが追加されました。これらの新しいテンプレートは、テンプレート ギャラリーの [レイヤーの構築] カテゴリにあります。テンプレートを選択して、ポイント、ライン、またはポリゴン レイヤーの作成、フィールドの追加、フィールドのリストまたは値の範囲の定義、フィーチャ タイプおよびテンプレートの構成を行います。
- 3 つの新しいフィーチャ レイヤー テンプレートで、天然資源のデータ コレクションおよび管理がサポートされます。森林の専門家は、Forest Activity Tracking (森林作業の追跡) を使用して、化学物質の適用や刈り入れ作業などの森林作業を整理分類できます。農業部門のローカル業者は、Member Properties (メンバーのプロパティ) を使用して、クライアントの住所を更新し、農業用の小屋、灌漑システム、フェンス、保管施設などの資産を記録できます。ぶどう園やワイナリーの従業員は、Vineyard Management (ぶどう園管理) を使用してぶどう園データを収集し、管理できます。
- ArcGIS Enterprise では、ブラウザーを使用したファイルのアップロード方法が改善され、組織内のファイルの追加や更新に要する時間が大幅に短縮されました。また、1 GB のファイル アップロード サイズ制限が削除されました。Web ブラウザー経由で最大 200 GB のファイルを [マイ コンテンツ] にアップロードできるようになりました。
- ホスト フィーチャ レイヤー ビューに含めるフィーチャを定義する際に、特定の対象地域に存在するフィーチャを含めるようにビューを制限できます。
- ホスト フィーチャ レイヤー ビューで同期を有効化することで、オフラインで使用する Web マップにビューを追加したり、データ コラボレーションにビューを追加したりすることができます。
- ホスト フィーチャ レイヤー ビューにアクセスする必要があるユーザーが、ホスト フィーチャ レイヤーから継承した添付ファイルにアクセスする必要がない場合や、アクセスさせたくない場合は、ビューから添付ファイルを非表示にできます。
- ホスト フィーチャ レイヤーおよびホスト フィーチャ レイヤー ビュー内のレイヤーの名前を変更できるようになりました。
- 時間の節約のため、関連付けられたフィーチャ レイヤーを編集した結果、変更されたホスト シーン レイヤーのキャッシュ部分のみを再構築できます。
- シーン レイヤーのキャッシュを再構築する際に、新しいジョブ ステータスを利用できるようになりました。データの複雑度とサイズによっては、キャッシュの再構築に長時間かかることがあります。このジョブ ステータスは進行状況の監視に有効であり、処理が正常に実行されなかった場合に、問題のトラブルシューティングに役立つログ ファイルへのリンクを提供します。
- Military Grid Reference System (MGRS) および United States National Grid (USNG) が、CSV (カンマ区切り値) ファイルをホスト フィーチャ レイヤーとして公開するための座標参照系としてサポートされるようになりました。
- フィーチャ レイヤーを ArcGIS Pro からポータルのいずれかのフェデレーション サーバーに公開する際、ライン フィーチャ レイヤーおよびポリゴン フィーチャ レイヤーで、ジオデータベースが管理している面積および長さフィールド (shape__area および shape__length) が公開されるようになりました。
サポートされているラスター データ ファイル タイプを使用してイメージ レイヤーを作成するには、[イメージ レイヤーの作成] を使用します。作成されたイメージ レイヤーをラスター ストアに書き込み、イメージ サービスとして公開できます。入力として使用する画像データは、ローカル フォルダーまたはデータ ストアから取得できます。出力には、ホスト イメージ レイヤーまたは登録済みデータソースを参照するイメージ レイヤーを指定できます。登録済みデータ ソースを参照するイメージ レイヤーは、エンタープライズでは管理されていません。参照されたイメージ レイヤーを削除しても、データはデータ ストアから削除されません。
ポータルでのデータ ソースの管理
10.7.1 では、公開者または管理者がクラウド ストレージの場所、ファイル共有、およびデータベース接続をデータ ストア アイテムとしてポータルに追加できるようになりました。アイテムを追加すると、データ ストアが 1 つ以上のフェデレーション ArcGIS Server サイトに登録されます。アイテムの追加後、各データ ストア アイテムに次の操作を実行できます。
- クラウド ストレージの場所 - クラウド ストレージの場所に保存されている画像からイメージ レイヤーを作成する必要があるポータル メンバーに、クラウド データ ストア アイテムを共有します。
備考:
10.7 リリースでは、ポータル管理者が、イメージ ホスティング サーバーおよびラスター解析サーバーの両方をポータル用に構成した場合、[ArcGIS Server Manager] を使用してデータ ストアをイメージ ホスティング サーバーおよびラスター解析サーバーに登録する必要があります。
- フォルダー - 以下を実行する必要があるポータル メンバーに、フォルダー データ ストア アイテムを共有します。
- フォルダー データ ストアに保存されている画像からのイメージ レイヤーの作成。
- ArcGIS Pro から、フォルダーを登録したポータルのラスター解析サーバーまたはイメージ ホスティング サーバーへのイメージ レイヤーの公開。
- データベース
- データ ストア アイテムの所有者は、データ ストアを介してアクセスできるすべてのフィーチャクラスおよびテーブルから、1 回の公開操作でフィーチャおよびマップ イメージ レイヤーを作成できます。その後、所有者は他のポータル メンバーとレイヤーを共有できます。
- 同じデータベース認証情報を使用して、ArcGIS Pro からデータベースが登録されているいずれかのフェデレーション サーバーにレイヤーを公開する場合、データ ストア アイテムが共有されているユーザーは、データベースをデータ ストアとして個別に登録する必要はありません。
複数のフィーチャおよびマップ イメージ レイヤーの一括公開
10.7.1 で、特定のデータベース接続を介して利用できるデータを簡単に共有するには、データベース データ ストア アイテムからフィーチャ レイヤーとマップ イメージ レイヤーを一括して公開します。ソース データベースで新しいコンテンツが利用できるようになったら、データ ストア アイテムおよびレイヤーを同期できます。たとえば、フィーチャクラスおよびテーブルがデータベースに追加されたか、そのアクセス権限が新たにデータベース ユーザーに付与された場合、ポータルに新しいレイヤーが作成されます。同様に、元になるフィーチャクラスまたはテーブルがデータベースから削除されたか、その権限が取り消された場合、対応するフィーチャおよびマップ イメージ レイヤーがポータルから削除されます。
ホスト フィーチャ レイヤーの機能改善
10.7.1 の ArcGIS Enterprise ポータルでは、Military Grid Reference System (MGRS) または United States National Grid (USNG) 座標を使用して空間データを格納している Microsoft Excel ファイルから、ホスト フィーチャ レイヤーを公開できるようになりました。
データベース サポートの変更
以下に、ArcGIS Server サイトに登録したデータベースに対するサポートの変更点を示します。
- ArcGIS 10.7 では Oracle 18c がサポートされます。
- Oracle でユーザースキーマ ジオデータベースを作成できなくなりました。このリリースでは、既存のユーザースキーマ ジオデータベースを引き続き使用してアップグレードすることができますが、使用しているデータをスタンドアロン ジオデータベースに移動することを開始する必要があります。
- ジオデータベースを Microsoft SQL Server 2012 に作成することはできず、既存のジオデータベースが SQL Server 2012 データベースに存在している場合、そのジオデータベースをアップグレードすることもできません。ジオデータベースをアップグレードする前に、SQL Server をサポートされているリリースにアップグレードしてください。
- ArcGIS での Altibase データベースの使用は非推奨になりました。
マッピングとビジュアライゼーション
- 10.7.1 では、2 つの新しいベクター タイル ベースマップ (Open Street Map および Oceans) がポータルに追加されました。
- 10.7.1 の Map Viewer で、シンボル セットが更新されました。[危機管理] シンボル セットの名前が [公共安全] に変更され、新しいシンボルが追加されました。また、このシンボル セットは [安全と衛生] シンボル セットに代わって使用されることになったため、[安全と衛生] シンボル セットが廃止されました。[地方自治体] シンボル セットと [州政府] シンボル セットが 1 つの [政府] シンボル セットに統合され、新しいシンボルも追加されました。
- 10.7.1 では、レイヤーのスタイルを変更した後、そのレイヤーのデフォルト スタイルに戻すことができるようになりました。
- Map Viewer には、データ内の数値属性間の関連性を視覚化できる 2 つの新しいスマート マッピング スタイルがあります。これらの関連性スタイルは、2 つの異なるカラー ランプの組み合わせを属性データに適用するため、属性が関連している可能性のある場所を確認できます。たとえば、肥満率と糖尿病の割合がどちらも高い場所を調べ、運動不足の割合がパターンと一致しているかどうかを確認できます。
- オフラインの現場作業をサポートするマップ作成者は、Web マップからマップ エリアを作成できるようになりました。マップ エリアを使用すると、オフラインでのマップの利用が簡単になります。マップ エリアは、Collector for ArcGIS および ArcGIS Runtime SDK カスタム アプリで使用できます。
- Web マップのテーブルで、更新間隔を設定できるようになりました。これにより、マップが表示されている間、マップに関連するテーブル形式の情報が、フィールドからの最新データで同期されます。
ArcGIS Living Atlas of the World コンテンツ
以下を含む 2018 年の人口統計レイヤーおよびマップが 10.7.1 で利用できるようになりました。
- カナダに関する 4 つの人口統計レイヤー (2018 年の平均家族数、就労率、世帯収入の中央値、および年齢の中央値)。
- ACS (アメリカ地域社会調査) の 5 年間の推定値の最新版を含む 66 件の新しい ACS レイヤー。レイヤーには、米国の州、郡、および国勢調査地区の地理に関するデータが含まれています。トピック別にグループ化された単一または複数の ACS テーブルが含まれています。各トピックには、境界レイヤーと重心レイヤーがあります。レイヤーは毎年更新され、最新のデータ値と地理的な境界が反映されています。
また、10.7.1 では、新しいベクター ベースマップ レイヤーと新しい環境レイヤーが利用できるようになりました。
10.7.1 で開発終了サポート期間に入った Living Atlas コンテンツは、Map Viewer、Scene Viewer、および [コンテンツ] ページの [Living Atlas] タブでコンテンツを検索しても返されなくなります。この仕様により、今後廃止され、将来のリリースで使用できなくなる可能性があるコンテンツの使用を避けることができます。
10.7.1 では、多数の Living Atlas アイテムが廃止されました。廃止されたレイヤーの大半で、置換レイヤーが利用できます。これらのレイヤーのリストについては、「Living Atlas コンテンツのライフ サイクルと更新」をご参照ください。
10.7 では、Living Atlas レイヤーを検索してマップおよびシーンに追加するプロセスが簡素化および改善されました。新しいフィルターが追加され、Map Viewer、Scene Viewer、および [コンテンツ] ページの [Living Atlas] タブで、適切なコンテンツを検索しやすくなりました。たとえば、Living Atlas コンテンツを検索する際、次のカテゴリおよびステータス フィルターを使用できます。
- カテゴリ - トレンド カテゴリには、[新着と注目] と [最近の出来事] の 2 つのサブカテゴリが含まれています。10.7 で追加された Living Atlas コンテンツを検索するには、[新着と注目] カテゴリを使用してください。気象や災害イベントなどのライブ データ フィードを表すコンテンツは、[最近の出来事] カテゴリを使用して検索できます。
- ステータス - [信頼済み] フィルターを使用すると、Esri が推奨する Living Atlas コンテンツを検索できます。開発終了バージョン サポートになった Living Atlas アイテムを特定するには、非推奨ステータスのアイテムをフィルタリングします。非推奨のコンテンツを特定したら、そのコンテンツが廃止される前に、マップやアプリのコンテンツを置き換えることができます。
10.7 では、組織コンテンツと Living Atlas コンテンツの分離のほか、Living Atlas アイテムへの新規バッジの追加など、必要なコンテンツの検索に役立つ変更が加えられています。追加されたバッジには、Living Atlas バッジ や、必要に応じてコンテンツが信頼済み 、非推奨 、サブスクリプション 、またはプレミアム コンテンツのどれかを表示するバッジが含まれています。
Map Viewer でフィーチャ解析ツールを実行する際に、Living Atlas の ArcGIS Online フィーチャ レイヤーまたは Esri 境界レイヤーを選択できるようになりました。ポータルがこれらのレイヤーを使用するように構成されている場合、新しい [解析レイヤーの選択] ウィンドウから両方のオプションを使用できます。
すべての Esri 境界レイヤーには、複数のレイヤーが含まれています。個別の境界を適切に解析するために、[解析レイヤーの選択] で個別のサブレイヤーを選択し、フィーチャ解析を行うことができます。
10.7 では、12 個の Living Atlas アイテムが廃止されました。
Living Atlas 境界レイヤー ファイルがエストニア (EST) で使用できるようになりました。このファイルを My Esri からダウンロードしてポータルに公開することで、ポータル メンバーはこれらのレイヤーを利用できます。30 個の既存国境レイヤーに対する更新も、My Esri で利用できます。
[組織] > [設定] から Living Atlas コンテンツをアップグレードする必要はなくなりました。ポータルのアップグレードが完了するとメッセージが表示され、アップグレード後の手順を実行できます。このダイアログ ボックスで [OK] をクリックして、ポータルの Living Atlas コンテンツをアップグレードします。
3D GIS
- 10.7.1 時点では、限られた 3D モデル セットのみが自動的に Scene Viewer に含まれています。シンボル ギャラリーに植生などの完全な 3D シンボル セットを取得するには、Web スタイル セットアップをインストールします。基本配置が ArcGIS Enterprise Builder を使用してインストールされている場合、セットアップはすでに含まれています。詳細については、「Scene Viewer の要件」をご参照ください。
- 数十万のポイントを含むフィーチャ レイヤーを追加しながら、Scene Viewer での高パフォーマンスを維持します。シーンをナビゲートする際、フィーチャは動的に読み込まれて表示されます。また、ポイント シーン レイヤーでは表示されるポイント数が大幅に増加し、より迅速な操作を行うことができます。
- エッジ レンダリングを使用して、驚くほど素晴らしい都市シーンを作成できます。実線のエッジを選択して建物の外観を強調したり、エッジをスケッチして建物を手書きのように表示したりできるようになりました。見栄えを良くするために、建物エッジのサイズおよび色をカスタマイズすることもできます。
- グローバルシーンとローカルシーンの両方で地下を視覚化して探索します。新しい [地表の透過表示] スライダーを使用すると、地表を透過し、地震関連の測定値やユーティリティインフラストラクチャなどの地下フィーチャを表示できます。また、グローバル シーンで地下をナビゲートすることにより、地下データの視覚化と操作性を改善できます。さらに、地表を構成する際に地表の色を設定したり、[ベースマップ] ツールでシーン内の色を表示したりできます。
- サイトやブログのスタイルに合ったカスタムの背景色をシーンに埋め込むこともできます。背景色を選択すると、シーン内の空と星が削除され、独自のカートグラフィック スタイルを作成できます。
- Scene Viewer でゲームパッドおよび 3D マウス デバイスを使用してシーン内を移動できるようになりました。これらのツールを使用すると、建物、3D モデル、地下の対象物、奥まった部屋、廊下などのフィーチャを直感的に表示および検索することができます。
- 名前や ID などのレイヤー属性を検索するだけで、シーン内のフィーチャが簡単に見つかります。閲覧者がレイヤー内の特定のフィーチャを検索したりズームしたりできるようにシーン内のレイヤーを構成することが可能になりました。たとえば、ホテルの会議室の名前を入力すると、Scene Viewer は、その部屋に移動してハイライト表示し、その部屋に関するポップアップを表示します。
- 数十万のラインとポリゴンを Scene Viewer に追加できるようになりました。道路、河川、区画、国境などの大規模なデータセットを表示および視覚化します。このような新たなラインとポリゴンの改善に加え、大規模なポイント データセットのサポートが組み合わされた結果、Scene Viewerにレイヤーを追加する際のフィーチャ数制限がなくなりました。
- 数万のポイントが、写実的な樹木などの 3D シンボルで表示されます。新しい自動詳細レベルにより、強力なパフォーマンスを維持しながら、Esri が提供するギャラリーから 3D モデルを表示できるようになりました。
- フィーチャまたはシーン レイヤーにフィルターを適用します。属性を選択して、シーンに表示するフィーチャを選択できるようになりました。この新しいフィーチャは、ポイント クラウド レイヤーを含む、すべてのジオメトリ タイプの [レイヤー プロパティ] オプションで使用できます。
- 新しい建物シーン レイヤーにより、Scene Viewerで BIM 建物データを調べることができます。ArcGIS Pro 2.3 から公開された建物シーン レイヤーを使用すると、屋根、壁、ドア、機械システムなどの外部および内部構造物を表示したり、非表示にしたりすることができます。
- Scene Viewerの新しい対話型ツールを使用して、シーン コンテンツをスライスします。建物の内部や地下の隠れたデータの表示、拡大、計測ツールの動的操作ができます。
- ポイント レイヤーでアイコンとして使用する画像をアップロードします。Scene Viewer ギャラリー以外のシンボルで、シーンをカスタマイズできるようになりました。
- Scene Viewerでレイヤーの検索とレイヤーの追加のために新しく再設計された UI により、結果のフィルタリングおよび並べ替え、Living Atlas、グループ、またはお気に入り内での検索ができます。
- Scene Viewer でサポートされている最新の携帯電話とタブレットを使用して、外出先でこれらの新機能をすべて利用できます。
- シーン レイヤー キャッシュを再構築する際、ジョブ ステータスを確認して、関連するフィーチャ レイヤーの変更を反映することができます。
共有および共同作業
以下の機能が分散コラボレーションに追加されました。
- 10.7.1 で、グループ所有者とグループ マネージャーは、[グループ] ページの [概要] タブと [コンテンツ] タブにデフォルトで表示されるアイテム タイプ (アプリやマップなど) を指定できるようになりました。
- 10.7.1 の新しい位置フィルターでは、特定の場所や地域に存在する組織内のアイテムを検索したり、指定した緯度座標または経度座標にあるアイテムを検索したりすることができます。この検索フィルターを最大限に活用するために、アイテム所有者はアイテムの範囲または地理的境界を設定する必要があります。
- 10.7.1 では、画像をアップロードする代わりに、ベースマップを選択し、範囲とズーム レベルを設定して、アイテムのカスタム サムネイルを作成できるようになりました。
- Insights ワークブック、ページ、およびモデルをコラボレーションと共有できます。共有ページおよびワークブックでは、完了した解析および結果の読み取り専用コピーが組織外の参加者に提供されます。Insights モデルを共有すると、コラボレーション参加者にワークフローが提供され、参加者は自身のデータを使用して解析を再実行することができます。
- フィーチャ レイヤー ビューをコピーとして共有できます。フィーチャ レイヤー ビューをコピーとして共有すると、ビューに表示されているデータのみがコラボレーション参加者と共有され、ソース レイヤーへの編集または更新内容は、設定された同期間隔に基づいて同期されます。
備考:
ホスト フィーチャ レイヤー ビューをコピーとして共有するには、同期を有効化する必要があります。- ポータル管理者は、ワークスペース コラボレーション向けのスケジュール同期を一時停止および再開することができます。[同期の一時停止] を選択すると、システム メンテナンスや QA アクティビティなどの計画されたイベントに対して、スケジュール設定された同期を簡単に停止できます。その間、スケジュール設定された同期は行われず、[同期の再開] が選択された場合のみ再開されます。
備考:
同期ステータス レポートにはスケジュール設定された同期のステータスが反映され、次回のスケジュール設定された同期時間が表示されるか、管理者がサービスを一時的に停止している場合には [一時停止] が表示されます。分析
必要なレイヤーを検索しやすくするために、解析ツールでは、ツール ダイアログ ウィンドウ内から解析レイヤーを参照および追加する操作が改善されました。互換性のあるツール パラメーターのドロップダウン メニューから [解析レイヤーの選択] をクリックして、解析に使用するレイヤーにアクセスできます。
[解析レイヤーの選択] ウィンドウには、次のいずれかの場所でレイヤーを一元的に検索できます。
- マイ コンテンツ - ユーザーが所有するレイヤー。
- お気に入り - 頻繁に使用するため、お気に入りとして設定したレイヤー。
- マイ グループ - ユーザーが所属するグループで利用できるレイヤー。
- 組織 - 他のポータル メンバーが作成し、組織と共有しているレイヤー。
- 組織の解析グループ - ポータル管理者がカスタム解析グループを使用してポータルを構成した場合、このオプションを選択すると解析レイヤーの管理リストが表示されます。
- Living Atlas 解析レイヤー - このオプションは、ポータルが Living Atlas から ArcGIS Online コンテンツにアクセスするように構成されている場合に使用できます。
- Esri 境界レイヤー - このオプションは、ポータル管理者が Esri 境界レイヤーをポータルに公開した場合に使用できます。
組織の解析グループまたは Esri 境界レイヤーのフィーチャ レイヤーに複数のレイヤーが含まれている場合は、[解析レイヤーの選択] を使用してフィーチャ解析に使用する個別のサブレイヤーを選択できます。
すべての解析ツールで使用できる新しいレイヤー検出環境に加えて、標準および GeoAnalytics フィーチャ解析およびラスター解析に使用できる、新たに追加および改善されたツールが用意されています。
標準フィーチャ解析
ArcGIS Enterprise ポータルでは、次の新規および更新されたツールを使用できます。
- [テッセレーションの生成] は、指定した形状とサイズに基づいて分析範囲全体でビンを作成する新しいツールです。
- [最寄りの検索 (Find Nearest)]、[到達圏レイヤーの作成 (Create Drive Time Areas)]、[ルートの計画 (Plan Routes)]、[起点から終点の計測 (Connect Origins to Destinations)]、および [最適な施設の選択 (Choose Best Facilities)] に、道路にポイント、ライン、およびポリゴン バリアを適用するオプションが追加されました。バリアの例として、倒木、交通事故、パレード ルート、洪水などがあります。
- ArcGIS Pro から公開された カスタム Web ツールは、ホスト フィーチャ レイヤーとして結果を作成できるようになりました。
- [集水域の作成]、[可視領域の作成]、[下流解析] ツールを実行する際に、[標高解析] 権限が不要になりました。ただし、標高ツールを使用できるようにするには、ポータルで標高ユーティリティ サービスを構成する必要があります。
GeoAnalytics
10.7 および 10.7.1 では、GeoAnalytics に新しい機能拡張が行われました。
10.7.1 リリース
次の既存のツールおよび機能が拡張されました。
- オーバーレイ レイヤーでは、新しいオーバーレイ操作 (ユニオン、対称差異、およびアイデンティティ) がサポートされました。
- [フィーチャの結合 (Join Features)] では、測地線距離を使用して近接するリレーションシップをサポートします。
- ポータル マップ ビューアーでは、GeoAnalytics Server ツールの入力にフィルターを適用できるようになりました。このフィルターは解析にのみ適用され、フィーチャ レイヤーおよびビッグ データ ファイル共有に使用できます。
10.7 のリリース
ArcGIS Enterprise ポータル では、次の新しいツールを使用できます。
- [レイヤーのクリップ (Clip Layer)] は、入力フィーチャを指定された対象のポリゴン内から抽出します。
- [境界のディゾルブ (Dissolve Boundaries)] は、交差するポリゴン、または同じフィールド値を持つポリゴンを検出してマージし、1 つのポリゴンを形成します。
- [多変数グリッドから情報付加 (Enrich From Multi-Variable Grid)] は、多変数グリッド レイヤーから取得した属性を 1 つのポイント レイヤーに結合します。
- [フォレストベースの分類と回帰分析 (Forest-based Classification and Regression)] は、教師付きコンピューター ラーニング手法である Leo Breiman のランダム フォレスト アルゴリズムを転用してモデルを作成し、予測を生成します。
- [一般化線形回帰分析 (Generalized Linear Regression)] は、予測したり、一連の説明変数との関係から従属変数をモデル化したりします。
- [レイヤーのマージ (Merge Layers)] は、2 つのレイヤーのすべてのフィーチャを 1 つの出力レイヤーにコピーします。
- [データセットの記述 (Describe Dataset)] はビッグ データのサマリーとサンプルを提供できます。
次の既存のツールおよび機能が拡張されました。
- [ポイント クラスターの検索 (Find Point Clusters)] では、HDBSCAN アルゴリズムを適用できます。
- [フィールド演算 (Calculate Field)]、[インシデントの検出 (Detect Incidents)]、および [トラックの再構築 (Reconstruct Tracks)] は、新しい時間分割オプションをサポートしています。
- ビッグ データ ファイル共有に結果を書き込むためのサポートが追加されました。
ラスター解析
10.7 および 10.7.1 では、ラスター解析に新しい機能拡張が行われました。
10.7.1 リリース
Map Viewer ポータルを介して Enterprise で公開されている 2 つの既存ツールに機能拡張が行われました。
- [距離の計算 (Calculate Distance)] では、3 つの新しいパラメーターが追加されました。
- バリアを距離の計算に含めるには、[バリアを表すラスターまたはフィーチャ レイヤーを選択] を使用します。
- [距離計算の方法] パラメーターを使用すると、距離の計算に平面方法と新しい測地線方法のどちらを使用するかを選択できます。
- 必要に応じて [結果のバック方向レイヤーの名前] を作成します。この新しい出力とユークリッド距離を、新しいサービス ツール [コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline)] で使用してパスを検索します。
- [移動コスト パスの決定 (ポリライン)(Determine Travel Cost Path As Polyline)] に新しいパラメーター [目的地の値を取得するフィールドを選択] が追加されました。このパラメーターを使用して、目的地の値の取得に使用する入力のフィールドを指定できます。
ポータルに接続している場合に、REST API または ArcGIS Pro のジオプロセシング ツールを介してアクセスできる新しいサービス ツール [コスト パス (ポリライン) (Cost Path as Polyline)] が利用できるようになりました。このツールを使用して、ソースから目的地までの最小コスト パスを計算することができます。
10.7 のリリース
ArcGIS Image Server でのラスター解析は、Map Viewer ポータルを介して、Enterprise で公開される次の 2 つの新しいツールを提供します。
- [ディープ ラーニングを使用したピクセルの分類 (Classify Pixels Using Deep Learning)] - 入力ラスターにトレーニング済みディープ ラーニング モデルを実行して、有効な各ピクセルにクラス ラベルを割り当てた分類済みラスターを作成します。
- [ディープ ラーニングを使用したオブジェクトの検出 (Detect Objects Using Deep Learning)] - 入力ラスターに対してトレーニング済みディープ ラーニング モデルを実行し、検出したオブジェクトを含んでいるフィーチャクラスを生成します。フィーチャには、検出されたオブジェクトの周囲の境界四角形やポリゴン、またはオブジェクトの中心のポイントを指定できます。
[ラスター関数エディター] は、画像およびラスター解析処理チェーンを構築するためのビジュアル プログラミング インターフェイスです。ワークフローは、ラスター関数テンプレート (RFT) として保存できます。これにより、画像解析および処理を自動化できます。RFT の作成と変更は、関数エディター パネルで行うことができます。[ラスター関数エディター] は、Map Viewer ポータルを介して Enterprise に公開されます。
[ラスター関数エディター] には、142 個のラスター関数のギャラリーが含まれています。これらのラスター関数は、ビジュアル プログラミング ツールを使用して、[ラスター関数テンプレート] (RFT) と呼ばれるラスター関数処理チェーンに結合することができます。RFT は、テスト、編集、保存、およびエンタープライズの他のメンバーとの共有を行うことができます。
ジオコーティング
Geocode File は、開発者が ArcGIS Enterprise 10.7.1 からの大規模なバッチ ジオコーディングの実行に使用できる新しい API です。この API を使用すると、開発者は大規模なデータ ファイルをジオコーディングし、ジオコーディングされた結果を出力ファイルに返すことができます。この API には、zip 圧縮した CSV (カンマ区切り値) ファイル、Microsoft Excel (*.xls) ファイル、および住所情報を含むファイル ジオデータベース テーブルを入力できます。API は、入力ファイルにジオコーディングされた結果 (位置情報) を追加した、zip 圧縮した CSV ファイル、*.xls ファイル、またはフィーチャクラスを出力します。開発者はこの API に対してコードを記述し、ArcGIS Enterprise ポータル組織で大規模なバッチ ジオコーディングを実行できます。
大規模なバッチ ジオコーディングのセットアップ方法については、「住所をジオコーディングするためのポータルの構成」をご参照ください。
Geocode File API の詳細については、REST API のドキュメントをご参照ください。
アプリ
ポータルでは、アプリの新機能と機能拡張を利用できます。
ArcGIS Excalibur
ArcGIS Excalibur は、ArcGIS Enterprise 10.7 の新しい Web アプリケーションであり、直感的な操作性で画像ベースのワークフローが最新化および機能拡張されています。この直感的なユーザー エクスペリエンスにより、ユーザーは完全に統合されたワークフローで簡単に画像を検索、検出、操作することができます。また、手動支援による効果的な画像解析と画像活用もできます。ArcGIS Excalibur では、画像処理プロジェクトという概念を導入しています。これにより、ユーザーは画像ベースのタスクを一元的に実行するために必要なリソースを動的に整理できます。画像処理プロジェクトには地理空間参照レイヤーが含まれており、集中的に画像ベースのワークフローを効率化するための一連のツールと画像タスクのコンテキストがユーザーに提供されます。
ArcGIS Excalibur の最新リリースでは、以下の機能拡張と新機能が追加されました。
- 検索設定を使用すると、画像活用キャンバスで画像を検索する際に結果をフィルタリングできます。[日付の範囲]、[雲量のパーセント]、[予測 NIIRS]、[黄道傾斜角]、および [画像名] で検索できます。
- 時間対応の観測レイヤーでは、対話形式のタイム スライダーを使用して、画像上で観測データが収集された時間を表示できるようになりました。このタイム スライダーを使用して、以前に収集した観測データを表示できます。
- 画像プロジェクト用に新しい観測レイヤーを作成する際、観測レイヤーに新たな機能拡張が行われました。単一のシンボルに基づいてレイヤーのスタイルを定義するか、コード値ドメインを使用して、一意の値をスタイル設定できるようになりました。観測画像プロジェクトでは、複数の観測レイヤーを作成することもできます。
- レイヤー リストに複数の機能改善が行われました。イメージ レイヤー、コンテキスト レイヤー、およびプロジェクト レイヤーを操作できるようになりました。任意のコンテンツまたはプロジェクト レイヤーの透過表示を変更したり、プロジェクト レイヤーのタイム スライダーを切り替えたりできます。
詳細については、「Excalibur の新機能」をご参照ください。
ArcGIS QuickCapture
新しいモバイル アプリ ArcGIS QuickCapture が 10.7.1 でサポートされています。ArcGIS QuickCapture は、現場での高速のデータ収集ワークフロー専用に設計されたもので、現場の観測値を動き回りながら収集するユーザーのニーズにぴったりのユーザー エクスペリエンスを提供します。自動車やトラック、さらにはヘリコプターなどの乗り物で移動しながら使用できます。ArcGIS QuickCapture デザイナーを使用して、既存の ArcGIS Enterprise フィーチャ レイヤー上に独自の ArcGIS QuickCapture プロジェクトを作成できます。
ArcGIS Enterprise サイト
ArcGIS Enterprise ポータル サイトの 10.7.1 リリースを使用して、新たな環境でサイトの編集とコンテンツの共有を行うことができます。サイトを編集すると、[サイト エディター] の上部に新たなナビゲーション バーと再設計されたサイド パネルが表示されます。
新しいナビゲーション バーには、データの追加や既存サイトの管理など、すぐに他の画面に移動できるドロップダウン メニューが含まれています。
再設計された [カスタマイズ] サイド パネルは洗練されたデザインを特長に、サイトの設定と機能を構成するオプションが追加されています。レイアウトにカードを追加する際、このパネルも自動的に閉じられ、画面上のスペースを広く使用できます。
新しい拡張テキスト カードにはリッチテキスト編集機能が含まれているため、HTML を使用せずにテキストの追加や書式設定を簡単に行うことができます。
よりアクセスしやすいコンテンツの共有方法 ドラッグ アンド ドロップ カードを使用してアクセスしやすいサイトを設計する方法については、最新のブログ記事をご参照ください。
Ortho Maker
Ortho Maker で利用できる 2 つの新機能に、切り盛りによる体積の計算と、フィーチャ サービスからの GCP の追加によるブロック調整の改善があります。
- 切り盛りによる体積の計算は、Ortho Maker マップ ビューアーで提供されています。[体積の計算 (Volume Calculation)] マップ ツールは、切り盛り操作により変化した面積と体積を報告します。このツールは、数値表層モデル プロダクトおよび対象地域 (AOI) を特定のベース タイプとともに使用することによって、サーフェス要素の除去および追加の地域を識別します。
- [フィーチャ サービスからの GCP の追加] ツールを使用すると、ブロック調整が改善され、DSM (数値表層モデル)、DTM (数値地形モデル)、シームレス オルソ モザイクなどの正確なプロダクトが生成されます。GCP では、2 種類のフィーチャ サービスがサポートされています。
- 組織内のポイント フィーチャ レイヤー。
- パブリックにアクセスできる ArcGIS Online のポイント フィーチャ レイヤー。
Tracker for ArcGIS
Tracker for ArcGIS は、Track Viewer Web アプリと Tracker for ArcGIS モバイル アプリの 2 つの新しいアプリで位置追跡サービスを使用することで、位置の追跡を活用した新製品です。
Track Viewer
位置追跡を使用してユーザーの現在地と過去の位置を記録する際、トラックは位置追跡サービス内で安全に保たれています。ユーザーには自身のトラックのみが表示され、他のユーザーのトラックを表示するには追加の権限が必要となります。Track Viewer Web アプリを使用すると、管理者はトラック ビューを作成し、追跡対象のユーザーとそのトラックを表示できるユーザーを定義できます。トラック ビューにアクセスできるユーザーは、自身が利用できるトラックを視覚化するために Track Viewer を使用します。
Tracker for ArcGIS
Tracker モバイル アプリはバックグラウンドでの位置の追跡に最適化されており、デバイスのバッテリーへの影響を最小限に抑えます。このモバイル アプリでは、データ接続の有無に関係なくトラックが記録され、モバイル ユーザーは追跡される期間と追跡されない期間を制御できます。
Operations Dashboard for ArcGIS
ArcGIS Enterprise 10.7.1 では、ウクライナ語、アラビア語、ヘブライ語を新たに使用できるようになりました。複数選択モードのカテゴリ選択、および [データはありません] または [値がありません] が表示されている際のエレメントのスタイル設定で利用できる構成オプションが追加されています。
ArcGIS Enterprise 10.7 以降、[ポップアップの表示] および [フィーチャに追従] アクションを構成し、URL パラメーターを使用してアクションを制御できるようになりました。スタイル設定の改善には、対数スケール、ラベルと凡例のテキスト サイズ、背景、境界線、エレメント、タブ、および選択セットの色の選択などがあります。携帯電話でダッシュボードを表示することもできるようになりました。
詳細については、「Operations Dashboard for ArcGIS の新機能」をご参照ください。
Web AppBuilder for ArcGIS
Web AppBuilder for ArcGIS Enterprise には、アクセシビリティのサポート、新しいウィジェット、および多くのウィジェットの改善が含まれています。詳細については、ヘルプの「Web AppBuilder for ArcGIS」セクションをご参照ください。
全般
- 10.7.1 では、アクセシビリティのサポートが 21 のウィジェットと 5 つのテーマに追加され、選択されたスクリーン リーダーでテストされました。今後のリリースに伴って、アクセシビリティをサポートするウィジェットとテーマは、さらに追加される予定です。
- 10.7.1 では、URL パラメーター showLayers を通じて、表示されるレイヤーを制御できます。
テーマ
Web サイト、ストーリー マップ、または周囲の背景を伴うその他の位置に埋め込まれるアプリ用に設計されたポケット テーマが追加されました。左または右に配置可能なパネルで 1 つのウィジェットのみサポートしています。
ウィジェット
- 新しいネットワーク トレース ウィジェットは、ジオプロセシング サービスを利用して、ジオメトリック ネットワークを作成し、その結果を操作します。たとえば、ユーザーは、本管の破裂の位置を指定して、断水エリアを生成します。(10.7.1)
- 縮尺記号に、縮尺を表示する新しいオプションが追加されました。(10.7.1)
- 概観図にカスタム ベースマップを表示できます。(10.7.1)
- 共有ウィジェットの新しいリンクを使用して、表示されるレイヤーを制御できます。(10.7.1)
- クエリ ウィジェットに、エンド ユーザーが実行時に結果レイヤーに別の名前を指定できるかどうかを制御するオプションが追加されました。(10.7.1)
- スワイプで、レイヤーの選択リストを非表示にするオプションが提供されます。(10.7.1)
- スマート エディター ウィジェットでは、入力した座標または GPS 位置にポイント フィーチャを移動できます。10.7.1 のスマート エディターでは、スマート アクションと属性アクション オプションが追加され、ワークフローを簡単に効率化できるようになりました。
- コスト解析を実行するとき、ウィジェット内の複数の構成を更新することで、プロジェクト エリアの重心を簡単に生成できます。(10.7.1)
- クエリ ウィジェットでは、クエリ条件と空間フィルターのフィルター ラベルを非表示またはカスタマイズすることができるようになりました。値を入力して Enter キーを押すと、そのクエリが適用されます。クエリ ウィジェットを使用すると、結果レイヤーの名前を変更したり、マップ上に描画された空間フィルターの形状を実行後も維持したりできるようになりました。
- タイム スライダー ウィジェットでは、相対的な期間と間隔を設定して、過去 5 日の気象を 2 時間間隔で表示するなど、ライブ データをアニメーション化できます。
- 検索ウィジェットを使用して、ジオコーディングまたはポイント、ライン、およびポリゴン レイヤーのフィーチャ検索を実行する際、ウィジェットは結果の検索範囲内のズーム縮尺パラメーターを優先します。このウィジェットでは、UTM 座標を入力するか、検索ボックスに WKID を指定して、マップ上の位置を検索できるようになりました。また、ズームせずに検索結果に画面移動することも可能になりました。
- 凡例ウィジェットに、ベースマップ レイヤーのシンボルを表示する新規オプションが追加されました。
- 日光ウィジェット (3D) では、特定の日付を選択して、異なる時刻での太陽の位置を反映できるようになりました。
- 描画ウィジェットで、ポイントの計測ラベルを度または度-分-秒の形式で表示します。また、このウィジェットを使用して、フォント サイズとフォントの色を変更して計測値を表示できるようになりました。
- 計測ウィジェットでは、正確性を確保するために計測済みのフィーチャにスナップすることができるようになりました。
- 計測ウィジェット (3D) では、ポリゴンの面積と周囲長の計測がサポートされます。
- 属性テーブル ウィジェットでデフォルトの並べ替えフィールドを構成できます。
- 座標ウィジェットでは、構成済みの座標系の表示ラベルを変更し、デフォルトの座標系を設定することができるようになりました。
- インフォグラフィック ウィジェットで、ガイドラインとしてラインおよびエリア マーカーを追加して、バー、ライン、カラム、およびエリア テンプレートにチャートを表示したり、X 軸および Y 軸のタイトルを追加したり、ゲージ バーの背景色を変更したりできます。また、ゲージ テンプレートのその他のデータ ソース内に構成されている統計データに応じて、最大値と最小値を動的に設定できるようになりました。
- 関連テーブル チャート ウィジェットを使用するときに、ライン チャートを選択できます。1 つ以上のデータ シリーズでライン チャートを使用できます。
- パーセル ドラフター ウィジェットで、最後に使用したトラバース設定を保存したり、削除ツールを使用してパーセルを削除したりできます。トラバース ウィンドウの使用時に、ウィンドウを開始および回転位置に移動できます。
- 編集ウィジェットでは、多対多の関連レコードを編集したり、フィーチャを追加または削除する機能を制御したりすることができるようになりました。また、このウィジェットでは、Web マップ内に定義された編集可能なレイヤー設定を適用できるようになりました。
- ジオプロセシング ウィジェットでは、マップ内のテーブルを GPRecordSet の入力データとして選択し、[その他] シンボルを凡例の出力に表示しないオプションをオンにすることができるようになりました。
- ルート案内ウィジェットでは、ルートをホスト レイヤーとしてポータルに保存できるようになりました。
- 印刷ウィジェットでは、印刷の [高度な設定] タブで出力空間参照を定義できるようになりました。
- 新しい脅威分析ウィジェットは、問題が発生した場合の公共安全の担当者と初動対応者をサポートし、イベントの計画時に安全な距離と区域を特定します。たとえば、攻撃を受けやすい場所で爆発が発生した場合、担当者は設定するパラメーターと避難するエリアを理解することができます。
- 新しい可視解析ウィジェットは、指定された距離、観測点の高さ、および視野に基づいて、観測点から見えるものを特定します。
- 解析ウィジェットに、[テーブルから場所をジオコーディング (Geocode Locations from Table)]、[重心の特定 (Find Centroids)]、[ポイント クラスターの検索 (Find Point Clusters)]、および [中心と分散の集計 (Summarize Center and Dispersion)] という 4 つの新しいツールが追加されました。
- Living Atlas は解析ウィジェットで使用できます。
- インフォグラフィック ウィジェットの [数値] テンプレートで、桁区切り記号を設定できるようになりました。
- 3D 検索ウィジェットで、検索ソースとしてフィーチャ レイヤーを設定できるようになりました。
- ルート案内ウィジェットを使用すると、ウィジェットの構成時にマップ レイヤー (ポイント、ライン、ポリゴン) をバリアとして指定できます。
- 3D 座標ウィジェットでは、標高と視点高度の計測単位をメートル法または英語で設定できます。
- クエリ ウィジェットの結果パネルには、クエリ条件に一致するすべての結果の中で表示されるフィーチャの数を示す [表示されたフィーチャ] メッセージが表示され、表示されたフィーチャより結果が多い場合は [さらに読み込み] ボタンが表示されます。また、結果のアイテムに対して展開/折りたたみのデフォルトの状態を構成できます。
- インフォグラフィックス ウィジェットには、値の軸に対してのみ整数を表示できる構成可能なオプションが追加されました。
- チャート ウィジェットは、ラベルと値フィールドでのチャートの並べ替えをサポートしています。
SDK
新しい CoordinateControl クラスでは、座標を複数の形式および表記スタイルで使用および解析できます。
解析ウィジェットを使用する際、このマトリックスを参照して、GIS Server の Standard または Advanced ライセンスを必要とするツールを把握できます。
管理者は、すべてのユーザーが作成したアプリおよびテンプレートを表示および管理できます。
構成可能なアプリ テンプレート
次の新しい構成可能なアプリ テンプレートを利用できます。
- カテゴリ ギャラリー (10.7.1)
- 対話形式の凡例 (10.7.1)
- 比較 - 2 つのマップ、2 つのシーン、またはマップとシーンを横または縦に並べて表示することで、アプリ ユーザーはそれぞれのデータの相違点と類似点を調べることができます。
- Image Mask - ユーザーが 2 つのイメージ レイヤーの相違点を特定できるアプリを作成します。
- Image Visit - 画像を表示するマップ内の場所をブックマークして、アプリ ユーザーを事前に定義されたマップ ツアーに案内することができます。
- Imagery Viewer - このテンプレートを使用して作成されたアプリでは、スワイプ ツールを使用して 2 つの画像レイヤーを比較できます。このアプリは、経時的な変化の比較に役立ちます。
- レイヤー ショーケース - このグループ テンプレートを使用すると、ポータル メンバーが必要なコンテンツを検索しやすくなるレイヤーのギャラリーを作成できます。
- マップ スタイラー - マップ スタイラー テンプレートを使用すると、アプリのプレゼンテーションをカスタマイズし、アプリ ユーザーが Web マップを操作するための基本ツールを提供できます。このテンプレートにより、マップ ツールおよびシンプル マップ ビューアー テンプレートが置き換えられます。
- メディア マップ - このテンプレートを使用して、Web 上のニュース記事やプレゼンテーションなど、小さなスペースに Web マップを表示するアプリを作成できます。
- シーン スタイラー - シーン スタイラー テンプレートを使用すると、アプリのプレゼンテーションをカスタマイズし、アプリ ユーザーが Web シーンを操作するための基本ツールを提供できます。
- シーンとインセット マップ - 2D インセット マップを 3D シーンで表示することで、アプリ ユーザーがシーン内で各自の位置を確かめることができます。
次のアプリ テンプレートは開発終了ステータスとなり、ポータルでアプリを作成することはできなくなりました。代わりに、推奨されている代替アプリ テンプレートを使用してください。
開発終了テンプレート | 代替アプリ テンプレート |
---|---|
解析の比較 | |
シーンの比較 | |
マップおよびアプリ ギャラリー | |
マップ カルーセル | グループ アプリではないものの、ストーリー マップ シリーズ テンプレートを使用して、Web マップのコレクションを表示することもできます。 |
マップ ツール | |
シンプル マップ ビューアー |
ヒント:
Esri は、開発終了テンプレートのコードを保守していません。また、開発終了ステータスのテンプレートは、Map Viewerや [コンテンツ] ウィンドウから使用できません。ただし、これらのテンプレートのソース コードと API をダウンロードして、独自の Web サーバー上でホストすることができます。手順は、ダウンロード ファイルに付属する readme ファイルに記載されています。
重要情報
ArcGIS Enterprise 10.7 または 10.7.1 にアップグレードする前に、以下に注意する必要があります。
従来の Operations Dashboard のビュー アイテム
従来の Operations Dashboard 製品は、2019 年 1 月 1 日に廃止状態に移行します。ArcGIS Enterprise 10.7 では、オペレーション ビュー アイテムを作成または編集できなくなります。ポータルで既存のオペレーション ビュー アイテムに非推奨のマークが付きます。これらのアイテムは、次のメジャー リリースまでの前に新しい Operations Dashboard Web アプリを使用したアイテムの再作成をサポートする目的で、読み取り専用アイテムとして残ります。
今後は、新たに追加および改善された Operations Dashboard アプリ (ArcGIS Enterprise に組み込まれているアプリ) により、包括的かつ洞察的なデータ ビューが提供されます。
Portalpy の削除
Portalpy は ArcGIS Enterprise 10.7 または 10.7.1 セットアップに含まれなくなりました。すべての Portalpy 機能は ArcGIS API for Python が提供しており、多くのリリースに含まれています。従来の自動化スクリプトを使用する場合は、Portalpy をダウンロードすることができます。